「同期入社?」2024 4.4
「同期入社?」
2024 4.4

「同期入社?」
2024 4.4

 4月1日、新年度がスタートした。黒部宇奈月温泉駅、東京駅には、「いかにも!」といった新入社員で溢れていた。「7・5・3現象」という言葉がある。「中学・高校・大学」を卒業後、3年以内で会社を辞める割合が「70%・50%・30%」という事実を示す言葉だ。一方で、「石の上にも3年」という諺もある。働く中で、嬉しい事も、嫌な事もあるだろう。働くという事は、給料を他人様から頂くという事は、我慢する事でもある。人生は1度だけ。人生は悩ましい選択の連続だ。

 平成の初期、就職活動の公式のルールは、秋に会社訪問解禁であった。しかし、現実には、遅くてもお盆前には、内定をもらい就職活動が終了していた。まだ、バブルの余韻が残る時代でもあり、1浪1留の「可山優三」の私でも内定が出た。その会社は、当時、政・財・官界を巻き込んだ事件を起こし、世間を混乱に陥れていた。後日、消費税を成立させた政権も吹き飛ばした。会社訪問解禁日イコール内定式であった。銀座8丁目の「G8」に出向いた。内定式で、会社の上層部の人がこう発言した。「今晩、日本テレビのニュースで当社が取り上げられるようです!皆さんお楽しみに!」と笑顔で、余裕綽綽であった。ところがである。テレビは隠撮りの衝撃の映像を伝えた。カモメ室長が赤坂議員宿舎で国会議員に対し、「つまらない物ですが...」と紙袋を差し出している映像であった。右に行くか?左に進むか?迷い続けた結果、3月30日にその会社に内定辞退を申し出て、別の道を選んだ。そして、4月1日の入社式を迎える事はなかった。もし、その会社に入社していたら、「初めて、自分で自分を褒めたい!」と、語るメダリストと同期入社になっていた。