「ドライビングモール?」2024 2.7
「ドライビングモール?」2024 2.7

「ドライビングモール?」2024 2.7

 ラグビーの試合でのひとコマ。相手チームの反則により、フリーキックを得た。敵陣に前進すべく、司令塔のスタンドオフが、タッチキックでボールを蹴り出す。相手の反則によるフリーキックのため、マイボールラインアウトとなる。フッカーがサイン通りにボールを投げ入れる。ロックがしっかりとキャッチして、それをフランカーが支える。ボールをキープしたまま、モールが作られる。フォワードだけでなく、バックスも後方に加わり、ゴールラインを目指して、押し込む。相手チームも、モールを止めるべく、防戦するが、ボールを持った集団は、ポイントを移しながら、より前へと進むドライビングモールである。強力なフォワードを有するチームにとって、トライを獲得する大きな武器となる。

 昨今の「政治とカネ」の問題からあちこちに派生する議論を見て、ドライビングモールの絵が浮かんできた。論点がどんどんズレてきている。今回の問題は、記載すべき金額を記載しなかった事に尽きる。ルールを守れば問題のない話だ。ルールを作る政治家がルールを破るのでは話にならない。私は、政治資金規正法を改正するために、議席を預かっている訳ではない。「外交・安全保障をどうするのか!」、「人口減少・少子高齢化をどうするのか!」、「子どもの教育環境をどう整備するのか!」、「農林水産業をどう支えるのか!」議論すべき課題は山積している。「政治とカネ」の問題が全ての先頭にくるのは、情けない話だ。党所属の議員として、申し訳なく、恥かしい想いだ。
 政治は絶望との闘いだ。マックス・ヴェーバーが「職業としての政治」で述べたように、「にもかかわらず!」の言葉で自らを鼓舞し、地道に1つ1つの課題に取り組むだけだ。