「雲霧仁左衛門(?)」2023 10.10
「雲霧仁左衛門(?)」
2023 10.10

「雲霧仁左衛門(?)」
2023 10.10

 時代が、「昭和」、「平成」と移る中、私達の学年は、昭和の後半、あるいは、個人的な事情で平成の入り口に社会人として、スタートした。企業社会が大きく変わった時代であった。特に、金融業界の再編・統合は凄まじいものだった。 都市銀行と呼ばれる銀行は、「三井」、「三菱」、「住友」、「富士」、「第一勧業」等、10行以上あったものが、今では、「どこ」と「どこ」が合併したのか記憶にない位だ。新卒で入行した同期の者の全ての銀行名が、消えたり、変わったりしている。

 先日、地元の信用金庫の100周年の記念式典に出席した。厳しい環境だが、face to faceで頑張ってほしい。生まれて初めて持ったキャッシュカードの信用金庫だ。実家が「トコヤ」であり、「信金さん」が日々、出入りしていた。お客さんの「おつり」のため、「棒状」の50枚の100円玉がレジスターの中に何本かあった。小学4・5年生の頃は、まだ、「お小遣い制」ではなかった。しかし、放課後、友達と遊びに行ったら、ジュースも飲みたいし、お菓子も食べたい。遊びに行く前に、こっそりとレジスターから「雲霧仁左衛門」のごとく、「無許可」、「無期限」、「無利子」、「無担保」で資金を調達した。当時、ゼロゼロ融資という言葉はもちろん存在しない。言わば、「ゼロ」×4融資(?)であった。今から考えれば、両親は気付いていたと思う。だから現在、返済中である。 私の親友は、もっと大胆で、母親が経営するスナックのタバコの自動販売機から無断融資(?)を受けていた。その親友は、大学が理工系であったにもかかわらず、「赤い」銀行に就職した。 「それにつけても」、残念な事に一番好きだったあのカレー味のお菓子は、今は、販売していない。〈多少、フィクション〉