「あいつ、今、何してる?③」2022 9.8
「あいつ、今、何してる?③」2022 9.8

「あいつ、今、何してる?③」2022 9.8













 村椿魚津市長の挨拶を聞きながら、「第一声は、『出漁、おめでとうございます!』だろうな?」と考えていた。お盆が明けた8月16日、魚津港からサンマ漁に出漁するセレモニーに、水産会社の社長から声を掛けて頂いた。「魚津」は読んで字の如く、「魚」の街であり、「津」は、「船着き場」を意味する。漁業に携わる方々から話を聴いていた。「漁獲量の減少」、「収入の減収」、「魚価の低迷」、「後継者不足」等マイナスのスパイラルが続く。更に、「燃油の高騰」、「コロナウィルス」、「ロシアによるウクライナ侵略」が「これでもか!」と襲いかかってくる。全てが解決すべき課題である。出港前に、船の中を案内して頂いた。出漁期間が数か月に及ぶため、「家」と「食料品・日用品」、「倉庫」、「エンジン」、そして「勝負漁具」を積載した物体を「船」と呼ぶと認識した。その存在感は圧倒的である。港には、船員の家族、関係者が見送りに来ている。数か月間、家を留守にするため一抹の寂しさも漂う。しかし、家族を養う「大黒柱」の頼もしさが、それを受け止めている。「さあ、出港!」。船は港を出て、諏訪神社に祈り、日本海を北上した。

 「彼」が来ていた。風貌は変わっていない。水産会社の社長の兄であり、私の高校の同級生でもある。彼は中学時代から武勇伝を持ち、そのガタイを活かしラグビー部のフォワードで相手を弾き飛ばしたという。しかし、根は優しく、周囲に溶け込んでた。その日は、お盆休みで帰省しており、わざわざ港に私を訪ねてくれた。お互い顔を見て、自然と手が伸び、固く握手をした。大手建設会社の営業所長の名刺をもらい、東京での痛飲を約束した。 航海(人生)の安全と大漁(人生)を祈る! サンマ、万歳!