「自民党税制調査会」 2021 12.28
「自民党税制調査会」 2021 12.28

「自民党税制調査会」 2021 12.28

「自民党税制調査会」 2021 12.28

 「税」は「政」であり、「まつりごと」そのものである。外国では贅沢をを極める国王の恣意的な過重な「税」の徴収に対抗する事から「議会」が発生した。日本においても「租・庸・調」は、奈良時代には既に存在した。今日、政策を実現するために、財政出動による予算措置、金融政策だけでなく、税制を弾力的に運用する事で、目的地に誘導する。年末の予算編成・閣議決定の前の段階で、12月に歳入を見積もる。税制改正は、自民党政務調査会の1組織である税制調査会において議論され、党内決定される。自治体、中央省庁、業界団体からの要望は、「電話帳」と呼ばれるぶ厚い冊子に取りまとめられ、国税、地方税の順序で、決定に至るまで、強烈で個性的な理屈が展開される。政権与党の知恵として、システムが上手く出来ている。まず、代理出席はダメ。出席者は、議員本人と税を扱う財務省と総務省の行政官だけに限られる。そして、部会長を除き、議員本人の発言は、「1日1回」に限定されている。確かに、各議員に何度も発言を認めると収拾がつかなくなるからであろう。議員は各省庁や業界団体から、「この項目で発言をお願いします!」と依頼される。有力な議員は数多く頼まれる。しかし、発言は1日1回。議員としても、どの「税」で発言するのか悩しいところだ。

 自民党本部901号室。廊下には入室を認められないマスコミ、行政官、業界団体の人々が壁耳をしている。私の前には、「あの人」がいた。「あの人」は、長い行政、政治キャリアのある人だ。「あの人」は、どの項目で発言するのだろうか?注目していた。その時がきた。「あの人」が挙手をして発言を求めた。「実家の商売に関する税」についての発言であった。 ドリフのコントのようにズッコケそうになった。「あの人」は、実家想いの人であった。