「由来」2023 6.23
「由来」
2023 6.23

「由来」
2023 6.23

 令和5年は、宇奈月温泉にとって、開湯100周年という記念すべき年となり、令和6年は、宇奈月温泉にとって、「関西電力黒部ルート」が、「黒部宇奈月キャニオンルート」として一般公開される歴史的な年となる。

 昭和30年代、関西地方は戦後復興の中、電力不足に喘いでいた。関西電力は、電源開発の地を黒部に求め、長野県と富山県から、ダム建設の資材運搬ルートを切り拓き、難工事の末、黒部ダム、黒部川第四発電所を完成させた。 その後、資材運搬ルートは、長野県側は観光ルートとなったが、富山県側は閉ざされ続けた。ある出来事が契機となり、平成の時代、中沖 豊県知事が「一般公募」という形で、固い扉を抉じ開け、石井 隆一知事が粘り強く交渉し、包囲網を築き、「一般開放」の道筋をつけた。宇奈月温泉だけでなく、富山県にとって、観光のキラーコンテンツとなるだろう。

 開湯100周年の記念式典で、祝辞の機会を頂いた。 「さて、何をしゃべるか?」 「ん! 宇奈月って何だ?」 宇奈月温泉旅館協同組合のホームページによると、「桃原」と呼ばれた無人の台地に、温泉を引いて、一大観光地にと目論む山岡淳太郎氏と山田胖氏が、湯につかり、美しい月を愛でながら、「宇治」、「奈良」と並び称される名月の地となるように「宇奈月」の字を充てたとあった。「なるほど!」 出典を明らかにして、祝辞を終えた。懇親会の席で、実行委員長に確認すると、「山岡氏と山田氏は年齢が離れており、一緒に風呂につかる事は、無かったのではないか?」との事。「ん!盛っているのか?」まあ、「由来」には「諸説」が付きもの。