「年金?or賃金?」2023 3.13
「年金?or賃金?」
2023 3.13

「年金?or賃金?」
2023 3.13

 人生100年時代。人生の後半戦において「年金」は収入の大黒柱となる。年金不安・年金不信が払拭されない中で、厚生年金の適用対象を拡大させる方向は間違っていない。現在、労働者として働いている人の数十年後の年金が、老齢基礎年金、老齢厚生年金の2階建てになる事は、当事者にとってうれしい事だ。また、少子化により、「仕送り」の支え手が減少する中、被保険者の人数、支払われる保険料が増加する事は、年金財政にとって多少(?)は、プラスとなる。一方で、被保険者となる事で、国民年金の「3号被保険者」から、「2号被保険者」に移るため、賃金から「年金」、「医療」の保険料が天引きされ、事業主も同額を負担する事となる。新たな負担は発生するが、未来の年金額は確実に増える。

 一方、今日至る所で、労働力が不足している。改善される見通しもない。柴又帝釈天のタコ社長が、苦しい台所事情の中、自身の給料を削って、賃金アップさせても、人手が集まらない。また、労働者の立場では、時間給が上昇する事はうれしいが、「130万円の壁」がある。「壁」を超えると、被扶養者からハズれ、自ら社会保険料の支払い義務が発生する。「壁」を超えない様に、労働時間を調整する者も当然出てくる。賃金上昇の結果、働く時間がより短くなり、更に労働力が不足する。「壁」がもっと高くなれば、未来の年金額は増えないが、被扶養者のままで、より働く事で、明日の手取り額が増加する。目の前の高騰する電気料金、物価上昇の支払いに充てる事が出来る。未来の年金増額か? 明日の手取り収入の増額か? どちらも間違っていない。 政治の出番である。 今日の経済情勢を緊急事態と認識し、緊急避難として、縦割り行政の中、政治決断をすべき時ではないか?