「働くAさん、働くBさん」2023 9.12
「働くAさん、働くBさん」2023 9.12

「働くAさん、働くBさん」2023 9.12

 8月末は、社会保険労務士の試験が実施される。
 Aさんは、夫婦で、自宅で、理容業を営み、Bさんは、結婚後、子育てが一段落し、パートで働き、その配偶者は、労働・社会保険が完備された企業で、正規雇用という形態で働いている。 Aさんも、Bさんも働いている。しかし、労働法の世界では、「労働者とは、使用される者で、賃金の支払いを受ける者」と定義付けられるため、Aさんは、「個人事業主」(理容業が法人であれば別だが)、Bさんは「労働者」と位置付けられる。働くという点では同じだが、「年金」、「医療保険」等においては立場が異なる。 Aさん夫婦は、「国民健康保険」、「国民年金」に加入し、年金では、夫婦とも「1号被保険者」として、毎月、各々、約16500円の保険料を納付している。 Bさんは、「壁」の枠内で働き、被扶養配偶者となり、「厚生年金」では、配偶者が、「標準報酬月額」の18.3%等を負担し(事業主とは折半)、Bさんは、直接は「年金」の保険料を負担せず、配偶者は、「2号被保険者」、Bさんは、「3号被保険者」となる。この、「1号」、「2号」、「3号」を巡っては、様々な議論が行われてきたし、今も行われている。
 この秋に、「物価上昇」、「労働力不足」、「可処分所得向上」等の対策で、1つの政策が実施されるようだ。「ようだ」というのは、その議論に加わった記憶もないし、詳細を聴いた事もないからだ。「事業主に対する助成金」やら、「財源は〇✕保険から」等の話が細切れに飛び交う。「なんだかなぁ~」と思う。単純に「壁」を高くすれば良いのではないか?「助成金」やら、「〇✕保険」等の登場人物が増える事が、話を余計に難しくしていないか? 政治はわかり易さが1番。