「縦横・無尽〈改訂版〉」
高校入学時に、体調を崩していた15才の春、医師から「体育禁止」を命じられていた。野球部かラグビー部を考えていた私は、どの部活動に入るかを決めあぐねていた。元来、読書をする習慣もなく、写生大会で絵を描けば「牛」より「牛乳瓶」が大きく、プラモデルを作れば、必ず部品が余る不器用な私にとって「文化系」は、論外であった。
入学式直後から年中行事がスタートした。「対面式」、「部活動紹介」、「校歌指導」の花形(?)は応援団であった。何を基準に、どう決断したのかは記憶にないが、応援団に入った。全くの「縦」社会であった。先輩は、「『押忍』という挨拶はどこで先輩に会っても、しっかり、大きく!」と言う。「食堂で学生がラーメンを食べている時でも、皆が振り返る位に大きな声で!」と言う。魚津駅で先輩に、言われた通りに大きな声で「押忍」と言ったところ、先輩から、「お前はバカか?」と言われた。全く「理不尽」である。応援団は「理不尽」の連続であった。しかし、社会人となって痛切に感じた事は、周囲は理不尽ばかりであり、高校生の時に、理不尽な仕打ちに慣れていたので、どうにか今日まで生き延びてこられた。応援団の先輩・後輩には人生の戦いの場でも応援も頂き、感謝のみである。
昨年、私達の学年は還暦を迎えた。新川エリアから「加積の里」に集い、学んだ同級生は、当事から今日に至るまで、誰もがユニークで、根拠のない自信に未だに満ち溢れている。そんな同級生に刺激を受けて、今日まで生き延びてきた。「横」の繋がりに感謝のみである。
「縦横無尽」という言葉を国語辞典で調べてみた。「自由自在で、きわまりないこと。」と記されている。少し異なる。「縦横」は「たてよこ」、「無尽」は「いつまでも無くならないこと。」とも記されている。同じ時に、同じ場所で、また、異なる時期に、同じ加積の地で集まった同窓生、現役学生の「縦横」の関係が「無尽」である事を願うばかりである。