「社会保険」2025 7.7
「社会保険」
2025 7.7

「社会保険」
2025 7.7

「社会保険」

 「社会保険」とは、「失業、労働災害、負傷、疾病、出産、老齢、死亡、障害、介護」等の保険事故・リスクに備える社会保障制度の一環といったところか。各々の保険事故に対応する公的制度として、「雇用保険」、「労働者災害補償保険」、「健康保険」、「厚生年金保険」、「介護保険」が、被保険者となる労働者(使用される者で、賃金の支払いを受ける者)と事業主が労使折半で(労働者災害補償保険は除く)、国庫負担・補助等も組み入れて保険者が制度を運営している。旧省庁で言うと前の2つは、労働省、後ろの3つは厚生省の所管となる。旧厚生省所管の3つは、「年金」と「医療・介護」に分類出来ると思う。「年金」については、各世代間の支え合いという賦課方式が採用され、考え方として「国民年金」にしても「厚生年金」にしても概ね40年間保険料を納付し、原則65才からの高齢期に給付を受ける。もちろん「繰り上げ受給」、「繰り下げ受給」も選択出来る。「約40年間も保険料を納付したのだから、年金を貰わなければ損だ!」という考え方も理解出来る。まあ、年金官僚からは、「その考え方は違いますよ!」との指摘を受けそうだが...。一方、「医療・介護」は保険料を支払っているからといって、「病気にならないと損だ!」、「もっと要介護が進行しないと保険料がもったいない!」と考える人はまずいないであろう。つまり、「医療・介護」保険については、本人にとって「掛け捨て」が一番という事になる。しかし、立ち止まって、考えてみる。「掛け捨て」が一番良いとは頭では理解していても、保険料が際限なく上昇して良いという事にはならない。労使折半の保険料の伸びをどのように抑制していくのか?保険料をどのように削減していくのか?この夏の争点であり、冷静な議論、しっかりとした制度設計、ロードマップが必要である。