「見せ所」
「コンピューター付きブルドーザー」と称された政治家の娘である2世議員が大臣に就任した。その女性大臣はインパクトのある発言・行動を繰り返した。テレビのワイドショーには、欠かせない存在ではあったが、政権にとっては悩ましい存在でもあったようだ。世間の注目が集る中、異例な事だが、大臣は党幹部から呼び出され、注意を受けたようだ。余程悔しかったのか、テレビカメラの前で涙した。その映像が流れ、それを受けて、任命者がお得意のワンフレーズを放った。「涙は女性の武器だからねー!」と。この発言がこれまた国会で取り上げられ、女性閣僚の方々は、「その発言をどう思うか?」と問われた。民間企業の役員から大臣に登用されていたその閣僚は、こう答弁した。「素晴らしい男性の前で涙を流して、『それは女性の武器だねー!』と1度言われてみたい!」と。 お見事! 冷静な答弁は、流石に霞が関の役所を勤めあげた人との印象を受けた。その方は、参議院の補欠選挙に立候補し、「選挙区」で当選し、その後、知名度を活かして、「全国比例区」に転出した。私は、転出の際にご縁を結ばせて頂いた。何度も富山に選挙の応援で来て頂いた。ありがたい事だ。
参議院議員の「全国比例区」は、衆議院議員の「ブロック比例」とは異なり、「候補者」の氏名を記述できるし、「政党名」でもOKである。しかし、この制度が、有権者に正確に認識されているとは言い難いと思う。広い日本列島を走りまわる候補者にとって、「政党名」ではなく、「自分の名前」を書いて頂く事が、全てなのである。この夏も多くの方々が立候補を予定されている。有名な候補者に投票する事もあるし、自らの市町村の必要不可欠な事業に、自ら所属する団体の事業推進に向け、力を借りる候補者を応援する事もあるだろう。「名前」を書く事で新しい縁が産まれ、その絆が強くなっていく。縁を結び、絆とし、そして、その地域にとって結果を出せるか否かは担当者の腕の見せ所である。何よりも数字は語り、噓をつかない。そして、誰かがその数字を成績表(票?)として見ている。