「自腹」
留年しながらも、どうにか大学を卒業し、東京永田町で働き始めた。しかし、「長男であるので、いつかは、富山に戻らなければならない。」と考えていた。「自分の性格では、なかなか民間企業では間に合わないであろう。」とも考えていた。となると、手に職をつける「資格」と考えた。特別な問題意識もなく、「税理士」という職業を考えた。税理士を目指し、仕事が休みである土曜日に水道橋の専門学校に通った。決して安い授業料ではなかった。何回か通学し、算数が、数字が昔から苦手だった事にハタと気付き、「税理士」は断念した。しかし、「財務諸表論」という科目の考え方は今でも役に立っている。その点では、決して無駄ガネではなかった。県議会議員に当選後、選挙区を歩く中で、「雇用」、「年金」、「医療」という領域に強い問題意識を持つようになった。「社会保険労務士」を目指す事にした。合格するかどうか自信はなかったが、後輩が、18回目の司法試験で合格し、弁護士となっている事実も背中を押してくれた。「いくら俺でも、18回受ければなんとか合格するだろう!」と気持ちが楽になった。DVDの通信教育講座を申し込み、DVDプレーヤーも購入した。自腹で資本投下した。無駄ガネにする訳にはいかない。どうにか4度目で合格した。今、考えてみると、自腹で授業料を払ったから、安くないお金を自らの薄い財布から支出したから、合格出来たと改めて思う。