「見られてる?」2025 2.6
「見られてる?」
2025 2.6

「見られてる?」
2025 2.6

「見られてる?」

 今年も全国各地で各種選挙が予定されている。候補者のスタートラインは、1人1人異なるかもしれないが、有権者は、住所・職業・性別・年齢等に関係なく、1人同じ1票しか持っていない。その点では、選挙は、日本に残された数少ない平等な競争である。候補者は、全精力を傾けて、全人格を賭して、正々堂々と有権者に所信を訴え、有権者は五感を研ぎ澄まし、それを受け止め、判断を下す。そして、その結果が民意となる。

 今日、期日前に投票を済ませる人が多い。私も自分の選挙以外は、ほぼ、期日前投票である。投票者のトップバッターになると、投票箱が空っぽである事を確認する仕事が与えられる。簡単な手続きを経て、投票用紙を受け取り、役場の職員等に背を向けて、狭い仕切りの中で、意中の候補者の名前等を書く。背後に視線を感じる。「手の動きで、誰と書いたかバレないか?」。慣れてない人は、悪い事をしている訳でもないのに焦る。目の前に候補者の氏名や政党名が書かれているのに、それが目に入らない人もいるだろう。特に、参議院の全国比例区は、候補者数が多いため、名前の字も小さい。早く投票を済ませて、その場から逃げたい、立ち去りたい人は更に焦る。焦った結果、頼まれていた候補者の名前を忘れ、仕方なく政党名を書いてしまう人も多いと推察される。その理由は明確ではないが、参議院全国比例区の投票割合は、個人名より政党名が多い。そして、長丁場の選挙が終わる。その結果は、誰が、どの政党が、どの市町村で、何票獲得したかとういう数字が一覧表になって現れる。候補者と候補者の本籍地の現役生は、必ずその数字を見ている。