「お金」
東京永田町の師走の中心議題は「お金」。12月は、「税制改正」と「予算編成」の最終局面となる。今年は特に「税」と「社会保険料」における「壁」を巡っての議論が熱い。
まず、「税」について考えてみる。最高法規である日本国憲法30条には、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」と書かれている。税には、「公平・中立・簡素」という租税三原則もある。「公平・中立・簡素」の厳密な定義付けも難しいが、誰が、どの角度から、どのように見ても、「そんなところか!」と納得出来る事が求められる。しかし、どこかの「金額」で「線引き」が行われる事もある。線を引く事で、そのボーダーの前後で、結果として、不満や不公平感が発生する。そして、その声は、どんどん大きくなる。私は総合的に考えて「壁」を引き上げる事には賛成である。仮に「103万円」が「178万円」になったと仮定する。しかし、「毎月、約15万円の所得のある者が、所得税を支払う必要がない事は、正しいのか?」という疑問は残る。
一方、「社会保険料」について考えてみる。「健康保険」、「厚生年金保険」の分野では、主に「106万円・130万円」の「壁」が存在する。私は、衆議院厚生労働委員会にて、物価上昇対策、労働力不足対策の1つとして「壁」の単純な引き上げを提案した。政府の見解は否定的であった。仮に「103万円」が「178万円」になり、「106万円・130万円」の壁がそのままとなると、所得税は発生しないが、社会保険料が発生し、労働者と事業主の負担が登場する。「社会保険料」は、憲法に規定されていないし、「税」と「社会保険料」を滞納し、差し押さえられた場合、「税」の徴収が優先される。税は強い。そこで、「税」と「社会保険料」の整合性も求められる。
それにしても、「お金」について、次から次に問題が露見している。困ったものだ。ところで、週刊少年ジャンプで連載されていた「北斗の拳」の主人公「ケンシロウ」の決め台詞は、何だったっけ?