「立花 隆」
「刷新」という言葉を調べてみた。「弊害を除き去って、全く新しいものにすること!」とある。なるほど。敢えて、一歩踏み込んで、「何故、弊害が生じたのか?」。「刷新すれば、全てが解決するのか?」という事が、真っ先に問われるべきと思うが、不思議な事に、原因者は、我れ先にと棚に上がり、何事も無かったかのように、「刷新」を声高に叫ぶという都合の良い(?)世界もあるようだ。
「立花 隆」というジャーナリスト・ノンフィクション作家がいた。幾多の肩書を有し、「知の巨人」とも呼ばれたようだが、その著作を手にする事はなかった。性分に合わないのであろう。これからも読む事は、「あの文章」を除いてはないであろう。 今から、約35年前になる平成5年の夏、宮澤 喜一内閣は、「政治とカネ」、「選挙制度改革」を巡って、厳しい局面に追い込まれていた。会期末に、「憲政の常道」を逸脱した造反組により、内閣不信任案が可決され、衆議院が解散された。自民党は分裂状態となり、「新生党」らが誕生した。総選挙の結果、自民党は下野した。新党がマスコミの実質的な協力の下、ブームとなったが、新生党の結成直後に、立花 隆は、その偽善と欺瞞を見抜き、義憤に駆られたのか、朝日新聞に寄稿した。政治面ではなく、社会面に掲載されていた事が印象的であった。そのタイトルは、「ちゃんちゃらおかしい!」。時代を経ても、その文章が、全く色褪せない事が、残念であり、恥かしい。