「箱」2024 5.31
「箱」
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「箱」

 約50年振りに新築された入善町役場の竣工式に出席した。約43億円の立派な建物だ。

 岩國 哲人出雲市長は、「行政は最大のサービス産業」を掲げ、日本最大の木造ドームを建設し、総合福祉カードを導入するなどハード・ソフト事業において斬新なアイデアを形にした。ユニークなエッセイも書いた。「『お』という接頭語は、丁寧な表現として用いる。『お手伝い』、『お菓子』など。しかし否定的なものが1つある。その言葉は、『お役所仕事』」。なるほど、上手い事を言うな!
 平松 守彦大分県知事は、グローバルに考え、ローカルに行動するという哲学の下、「1村1品運動」を展開した。城山 三郎の「官僚たちの夏」のモデルとなった佐橋 滋通商産業事務次官に鍛えられた。平松は、行政官としてコンピューター業界のテイクオフに大きな役割を果たした。コンピューターなるものは漠然と、なんとなくイメージ出来るが、政治家には、レクチャーの内容が上手く伝わらない。そこで平松は川柳を作り、なじみのない、「ソフトウェア」という言葉の意味を説明した。「コンピューター ソフトなければ タダの箱」。なるほど、上手い事を言うな!

 旧入善町役場の町長応接室には、町出身の名誉町民である米澤 滋元電電公社総裁が揮毫した額がある。「サービス精神」と書かれてある。