「酔っ払い?」2023 5.15
「酔っ払い?」
2023 5.15

「酔っ払い?」
2023 5.15

 西武新宿線沿いの安住さんの下宿に、1年生が集められた。男臭い「雄弁会」は、縦社会で、階級社会であった。「士農工商」の世界であった。4年生の安住さんは、1年生を前に、頼みもしないのに、一方的に喋りまくった。とぼけた(?)宮城弁をワザとらしく駆使し、「NHKの役員面接」、「日本相撲協会の体質」、「グリコ森永事件の真相」、「配り歩いた茶封筒」等、どうでもいい話で1年生を圧倒した。全くの独壇場であった。我々は、安住さんの創る空気に支配されていた。喋り疲れたのか、「安住劇場」が一段落したところで、同席していた3年生の浅井さんに、押し入れから、当時1万円もした「シーバスリーガル」を取り出させて、私達に1口ずつ飲ませてくれた。ウィスキーに詳しい浅井さんは、「このシーバスリーガルは、レッドの味がしますね!」とポツリと、言ってはならぬ一言を呟いた。しかし、「安住教」の信者にとって、「レッド」でも「ホワイト」でも、どうでも良い事で、手の込んだ小芝居であったとしても、「教祖様」が言うなら、それは、「シーバスリーガル」なのだ。「安住節」に皆がやられ、全員が「安住節」に酔っていた。

 ところで、私の周辺で、「俺って、何でこんなに鋭く、突っ込めてるの?」、「俺って、キレッ、キレだな!」、「何てイケてるんだ! みんな、見てる?」的な人を良く見かける。何かに酔っているのだろうか? これも酔っ払いなのか? 今度、先輩に聞いてみよう。