「スローガン」2022 12.1
「スローガン」
2022 12.1

「スローガン」
2022 12.1

 ある代議士が言っていた。「物事をわかったか、わからないような者が、わかったか、わからないような発言をするから、世の中がわかったか、わからない事になる!」と。全くその通りである。
 政治家にとって、最大の武器は「コトバ」だと思う。本当に理解している者は、子供でもわかるように話す。私は役所から資料をもらう時には、必ず「小学生でも理解出来る資料でお願いします!」と依頼する。そして発言する際には、極力ゆっくりと、誰もが日常的に使っているコトバで話すように心掛けている。何故ならば、聞いている人は、初めて、しかも、1回しか聞かないのだから。

 リーダーは、国民に政治姿勢や目標地点を示すために、スローガンを用いている。池田勇人内閣では、大平正芳官房長官の演出とされるが、「寛容と忍耐」であった。日米安保条約改定により、ギスギスした社会を再構築するには、所得倍増計画という明るく、見えやすい政策を掲げ、低姿勢で対処するしかないと判断したのだろう。田中角栄内閣では、「決断と実行」。それまでの政権も官僚出身で、前政権は戦後最長の内閣であり、「待ちの政治」と評された。それに対抗するために、高等小学校卒業の今太閤、コンピューター付きブルトーザーと力強さをアピールしたのだろう。両方ともそのスローガンは、ストンと落ちる。
 近年、ある地方だけで、中身があるのか、ないのか、わからないカタカナが、飛び交っているようだ。連発される方は、当然わかっているのだろうが(?)、聞かされている部下やその地域の方々には、届いているのだろうか? 私には、わからない。政治家のコトバは、わかりやすいのが一番。