「彼」は、市内のマンモス中学の出身で、自転車で高校に通っていた。バカ騒ぎをする私達と全く異なり、寡黙で、含羞ある大人の空気を漂わせていた。大学在学中、高校の同じクラス4人で、酒を飲みながら雀卓を囲んだ。彼は、「高校生の頃から『税』という職業を意識し、紫紺の商学部に進学し、就職先を絞っている!」とポツリと言った。行き当たり、バッタリの、出たとこ勝負の我々とは、やはり違っていた。 約40年前の「村」の地鉄の駅舎の姿は知らないが、「彼女」は、近年、「カモシカ」も訪れる図書館を併設した駅から、魚津に通学していた。私達が生まれた年は、東京オリンピックの年で、同級生には、呼び名の異なる2人の「聖」なる女の子が在籍していた。「彼」も「彼女」も、3年4組であった。 昨年の総選挙で、「日本一小さな村」で個人演説会を行った。彼女のご両親も参加して頂いた。私の出馬の話を聞いて、彼女は両親に、「同級生で、同じクラスだったから応援して!」と早々に連絡したようだ。同じ18才の時を、同じ空間で過ごしたという理由で応援して頂ける事は、本当にありがたい。きっと他にも、私の知らない、気付かない所で、誰かが、何らかの「縁」で応援してくれている。その想いを受け、仕事で頑張るしかない。 高校時代に付き合っていた「彼」と「彼女」は結婚し、県外で住居を構えているらしいが、2人とも両方の親を想い、2か月に1度、コシヒカリを受け取りに来る事を口実に帰省しているようだ。2人の姿が伊勢物語の「筒井筒」の2人に重なった。お幸せに!