「ポツンと…。その先に…」2022 10.14
「ポツンと…。その先に…」2022 10.14

「ポツンと…。その先に…」2022 10.14

  田中 秀征という代議士がいた。当選を重ねるベテラン、そして、名門出身の現職を相手に戦いを挑み続けた。4回連続の落選の後、初当選を果たした。総選挙後の特別国会の本会議場で、議場前列に座る田中 秀征の周辺がザワついた。田中 角栄がわざわざ、田中 秀征に近寄り、「君が田中 秀征君か! 10年間よく頑張った! 立派! 立派! 期待しているぞ!」と。 田中 秀征の国政に対する執念は「すごい!」の一言に尽きる。目に見えないものに対し、情熱を燃やし続ける事は容易ではない。

 田中 秀征は自らの著書の中でこう述べている。有権者からの手紙で、「あなたには、選挙区の草一本、木一本に至るまで覚えて頂きたい。」と。田中はその意味を理解し、「リンゴ農家よりもエノキを知り、エノキ農家よりも養豚を知るべく」歩き、そして、歩いた。選挙区から選ばれる衆議院議員が、地名を聞いて、「ポカン?」としているようでは間に合わない。昨年秋の初当選後、住宅地図を拡大コピーして、選挙区全体の地図を作成した。聞いた事だけがある地名もある。1つ1つの集落を訪ねるだけだ。地図上では道路があるが封鎖されている林道もあるだろう。「ポツンと一軒家」状態かもしれないが、全ての集落に出向くという姿勢だけは貫きたい。そこには生活の歴史があり、廃村となった現実もある。しかし、未来を創造する、明日を産み出す「何か」があると確信している。歩く、見る、聴く、訴えるという姿勢がないと「代議士」と呼ばれる意味がない。