「283」2022 6.15
「283」
2022 6.15

「283」
2022 6.15

 国会議事堂は、昭和11年に竣工し、戦前、戦中、戦後を見つめてきた。構造上、左右対称であり、衆議院、参議院の議長が向かい合っているらしい。「石の博物館」とも呼ばれるように、全国各地から石材が集められ、富山県からは、黒部市宇奈月町下立地区でしか産出されない「オニックス・マーブル」も使用されている。正門に通じる小径には、各都道府県の県木が植えられ、「タテヤマスギ」も、東京の空の下、異なる環境で頑張っている。法隆寺の五重塔が、スッポリと入る中央のホールの4隅には、日本の春夏秋冬が描かれ、板垣退助、伊藤博文、大隈重信の銅像が設置されている。1つの台座は空いている。その理由は、「政治は永遠に未完のもの!」、「後輩諸君、頑張れ!」、「皇居にお尻を向けるな!」等、諸説ある。

 本会議場で、名札を立て、着座し、ふと考えた。私の議席番号は「283」。「多くの先輩議員が、この席で、歴史を創ってきたんだろうなー」とも想う。 調べてみた。 「金丸 信」、「中川 一郎」、「麻生 太郎」、「菅 義偉」等、相々たる名前が並ぶ。「片岡 清一」、「橘 康太郎」郷里の先輩も座った。 見慣れない名前もある。自民党でない人々だ。左翼からこの議席にまで押し寄せる程、自民党が惨敗し、政権から転落した時であろう。天井のステンドグラスを眺め、議席を預かる重さを認識する。「明日のために! 未来のために!」と改めて、自らに誓った。