政権与党である自由民主党の国会での大事な仕事が、法案を成立させる事である。自民党は、ドンブリ勘定で、「エイヤー!」的な手法で、且つ、専制独裁的なイメージを抱く人もいると思うが、自民党が、最も大切にしている事は、「手続き」である。法案の取り扱いの過程においても、まず、提出予定の法案を政務調査会の担当部会で了承を取り付け、政調審議会を経て、議決機関である総務会で、党としての最終の決定を行い、ようやく、法案は閣議にかけられ、閣議決定の後、国会という表舞台に登場する。法案審議の主戦場は、各委員会になるが、「どの法案を先にに審議し、どのような日程で、衆議院を通過させるか?」と絵を描く、作戦本部が国会対策委員会、通称、「国対」である。国会対策委員会は、国会開会中は、原則、火・金曜日の午前中に開かれ、「委員長」を「代理」と「筆頭副委員長」が支え、各省庁担当等の副委員長が脇を固める。1年生は全員、国会対策委員に指名され、国会の「動き・流れ」を学ぶ。国対の場では、提出される法案を、所轄省庁の大臣政務官が説明し、総理大臣、各閣僚出席のテレビ中継等の予算委員会では、応援体制を組む。班編成された1年生の国対メンバーが、2期生の副委員長の指揮の下、所用、会議等で、中座し、自席を離れる先輩に代わり、空席に座る。テレビ中継に映るアレである。日本の最高議決機関の国会は、衆議院・参議院の二院制であり、両院を通過して初めて法律となる。会期末までの日程をにらみながら、法案成立に向けて、参議院での審議に出席していない大臣を衆議院に呼び込み、各委員会での審議を積み重ねる自民党国会対策委員会の手法は、「芸術品」でさえある。