令和3年12月、補正予算等を審議する臨時国会が招集された。総選挙直後の11月の特別国会は会期が3日間であった。そのため、正副議長の選挙等の院の構成、首班指名等で閉会した。この臨時国会が本格的な論戦の舞台となる。岸田総理大臣の所信表明演説、鈴木財務大臣の財政演説に対し、各党代表質問が行われる。自民党の代表質問は茂木幹事長。10月の選挙戦では応援に来て頂いた。入会した平成研究会の会長でもある。いよいよ実質的な任期のスタートであり、楽しみでもある。ところがである。衆議院本会議場の議席は間隔が狭く、「密」の極みである。コロナウィルスのパンデミックを受け、自民党では、全議員をA班とB班の2つのグループに分け、半数の議員を交代で本会議に出席させている。(もちろん、採決は全員出席) 「何という事だ!」 党の代表質問を、しかも所属するグループの会長が行うのに、「議院会館の自室でテレビ中継を見ろ!」という事だ。「密」を避けるため、万が一を考えての事だろう。その方針は理解出来る。しかし、直接見たい、聴きたい。何とかならないか? 「そうだ、傍聴席だ!」 衆議院本会議場には、議員席をグルリと取り囲むように傍聴席がある。傍聴席には種類があって、一般傍聴席、公務員席、外交官席があり、参議院議員席、前議員席まである。ところが、「ないものがある!」 それは衆議院議員席である。そりゃそうだ。本会議場で会議に参加し、自席に座っているはずの衆議院議員が傍聴席にいるはずがない。結果、私は議員会館の自室で、富山でテレビを見るように、茂木幹事長の代表質問を見ていた。